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13.
花沢類にプロムのパートナー立候補された。
彼は、私の初恋の人。
あの頃の私だったら、有頂天になっていたかもしれない。
花沢類は、赤札はられて集団リンチにあってた私を身を呈してかばってくれた。
NYで道明寺に冷たくあしらわれた後も、花沢類が暖めてくれた。
非常階段に類と居ると、一年中、春のようにおだやかで、元気でいるために欠かせない場所だった。
昔の思い出が次から次へと思い出されていく。
道明寺と別れた時も、花沢類はなにかと顔を出してくれて私を支えてくれた。
だから、英徳を卒業する時、横にいてもらうのは、ずっと一緒にいてくれた花沢類で当然のように思う。
パートナーのことは、花沢類にお願いしようと心に決めた。
Trururururrurururururururur・・・・
「もしもし。」
「はい、まきの?」
「うん。ごめん、こんな遅くに。花沢類、今、話せる?」
「名古屋に居て、ホテルに戻ったとこ。明日にはそっち戻るよ。で、どうした?」
「あのさ、プロムのパートナーの返事してなかったでしょ。
私、英徳では花沢類がいてくれたから頑張れた。だから最後も、横にいてくれる?」
「ふぅ~、ずっと連絡くれなかったから、ダメかと思ってた。」
「まさか、こちらこそお願いします。それで、ドレスは道明寺にもらったのでいいよね?」
「じゃあ、俺にプレゼントさせて。俺がまきのを誘ったんだから当たり前でしょ。
明日夕方からあいてる?ドレス、見に行こう。」
「あいてるけど・・・。でも・・・。」
こんなとき、自分が何を言っても取り合ってくれないのがF4の共通点で、早々に言い返すのをあきらめた。
「じゃ、5時に迎えに行く。あきらん家だよね?」
次の日、花沢類の愛車白いポルシェで、これまた高そうなブティックに連れて行かれた。
「ようこそ、類さま、お待ちしておりました。」白髪のまざった品のいい女性店員がニコニコと近寄ってきた。
「頼んでおいたの見せてくれる?」
「はい。ただいま。」
店の奥に配置された大きなソファの一つに腰掛けて待つ花沢類の姿は、まるで一枚の絵のようにこの風景に溶け込んでいる。
長くてすらりとした足を組み、第二ボタンまであけたシャツからのぞく胸。
右側に顔を少し傾けて、茶色いサラ髪がけだるく目にかかってる。
花沢類ってこの店の広告塔みたい・・・なんて思っていると、店員が一枚のドレスを大事そうに抱えてやってきた。
「花沢さま、こちらです。いかがですか?」
花沢類は目を細めうなずくと、私に向き直り「牧野、これ着てみて。」と言う。
薄いサーモンピンクのシルクのイブニングドレスで、胸元はU型にカットされ、スカートのすそが何枚かの花びらが重なっているようなデザインだ。
「うわぁ~、すてき~。花沢類、これって、もしかして私のために頼んでおいてくれたの?」
「うん。だって、想い出に残る大事な日でしょ。」
返す言葉が見つからない私を、花沢類はじっと嬉しそうに見つめていた。
「お着替えを手伝います。こちらへ。」
着替えを済ませると、店の人が簡単に髪を結ってくれた。
ちょっと、恥ずかしかったけど、花沢類の前に出ていくと、私をじっとみて立ち尽くしている変な花沢類。
「花沢類、どう?・・・・へんかな?でも、すご~く軽くて、着ていてすごく気持ちいいよ。」
うんともすんとも言わないへんな花沢類に、店員の人が、「類様、見とれていらっしゃって・・・。ホホホ。いかがですか?とてもお似合いですよね。」
「まきの、俺、ノックアウトされちゃったね。」と微笑みながら、一歩づつ近づいてきて、ふわっと抱きしめられた。
まったく、何考えてんだかわからない人だ。
「ちょ、ちょっと花沢類、こんなところで何やってんのよ!」
「え?ここじゃなかったら、いいの?」
「そういう意味じゃなくて・・・。///////」
それから、ドレスにあう靴とアクセサリーと鞄を選んで、配送を頼み、店を出た。
「お腹すいたよね?」
「買い物のあとは、いつもお腹ぺこぺこになるよ~。花沢類はお腹すいた?」
「うん。じゃ、行こう。」
おれは、銀座の料亭に牧野を連れて行った。
「花沢類、こんな高そうなお店、よく来るの?
どれも、とっても盛り付けがきれいで、食べるのがもったいよ。」
「おいしそうに食べるね。まきののほっぺた、俺も欲しい。クスっ。」
「もう、こんなおいしい物、食べれるなんて幸せだよ~。」
「ね、牧野?プロムが終ったら、レコードデビューでしょ、どう?」
「うん。こないだからプロモーションビデオ撮り始めてるんだよ。CGを使って、私ががけのてっぺんに立って歌ってて、天からすごい光が差すの・・・。
ありえないっつうの。ははは。あと、ギターのハルがお風呂はいって泡だらけになってるところとか撮影して、笑っちゃうんだよ。亜門は、音作りの鬼みたいにずっとスタジオにこもって調整してる。
もう、デビューに向けて秒読みって感じだよ・・・。」
「そっ、忙しくなるね。」
「私も自分が好きな仕事を見つけたから、前に向かって頑張る!花沢類達と一緒に!」
きらきら瞳を輝かせてそう言うまきのは、まぶしいくらいに輝いて見えた。
「まきの、おれ、フランスに行くことになったんだ。・・・・。」
「え?なんて?・・・」
つづく
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