忍者ブログ

選んでくれてありがとう

美作あきらx牧野つくし

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

選んでくれてありがとう 6
eranndekuretearigatou6

6.

私のために、F3、滋さん、桜子、優紀それから和也君まで集まって壮行会を開いてくれた。
ちょうど、バンドの練習帰りで、私は亜門を仕事仲間としてちゃんと紹介したかったから、そこへ連れて行ったのだ。

「皆、知ってると思うけど、こちら国沢亜門さん。
バンドのリーダーであり、ベース弾いてるの。」

亜門の姿が現れると、誰もが話すのをやめ、亜門へ視線を向けた。

ちょっと気まづい空気の中、亜門は大きな声で宣誓するように話す。

「オレは道明寺とは違う。
背負うもんが無い代わりに、自分で自分の道を切り開いていくのに必死だ。どうも、つくしとは何か太い縁でつながってるみたいで、 こういうことになった。よろしく。」

みんなは、軽く会釈で返し、それから乾杯して宴が始まった。

酔がまわってきた頃、陽気に酔っ払った和也君が亜門に「僕のつくしちゃんには、指一本触らせないぞ・・・。昔の一件は、消えないぞ!」とからみだし、 一方、類はずっと、亜門を睨んでる?


「牧野が、レコードデビューするとはな、本当にいつもお前にはびっくりさせられるぜ。芸能界ってところはな、怖い狼がうようよしてるらしいから、気をつけろよ。 なんだったら、お兄さんが、事前教育してあげてもいいけど・・・?」
「芸能界っていっても、アイドルとは訳が違うよ。バンド単位での活動だからね。」

西門さんなりのおふざけだとわかっているけど、ちょっと不安になるじゃない。

「おいおい、総二郎、今日は門出を祝う日だぜ。」
美作さんが優しく微笑みながら言ってくれる。
「みんな、忙しいところありがとうね。スタート地点にたったばかりで、これからどう転んでいくのかわからないけど、みんなをハッピーに出来るように頑張ります。応援よろしくお願いします!」

俺は、亜門と話したかった。
目で合図し、二人でVIP部屋をそっと抜け、隣の空いていた小部屋で向かい合う。

「何?美作くん。」
「国沢さん、つくしは司と別れた時ボロボロで、ようやく痛みが癒えたところなんですよ。
そのこと覚えておいてください。」
「おー、なるほどね。さっきも、からまれたり、にらまれたりしてたけど、ここにもか。」

「いや、俺は影ながら守ってやるつもりだから。あいつのこと、よろしくお願いしますね。」といって、頭を下げた。

「お前も男なら、それだけってことはないだろう?ね、美作くん。」



牧野を好きなことは自覚してるが、あいつが俺を見る目はお兄ちゃん的まなざしだ。
亜門の言った「お前も男だろ?」の言葉が、頭の中で何度もリフレインする。

俺は、牧野の前で男になれるのだろうか?

亜門が出て行った代わりに、入れ替わるように類が入ってきた。

「あきら、とうとう、目覚めちゃった?」
「は?」
「まきののこと。」
「・・・」
「告るつもり?」
「俺は、おにいちゃんのままだろ。」とやけっぱちに答えた。
「おれさ、フランスに行くことになると思う。」

「!・・・そうか、お前もいよいよだな。」


「俺さ、まきのに側にいて欲しいと思っている。」

類の瞳が静かに牧野への思いを伝えるつもりだと語っている。

沈黙が流れた。

「そうか、類は牧野のことずっと好きだったもんな。」

「もし、牧野がいいって言ってくれたら、もらっちゃうから。」

ドキっとした。

俺の前から牧野がいなくなる?

つづく

PR

コメント

コメントを書く